ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
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博士との異常な日常
「自分の犯した罪について、反省していますか?」
 それは一度聞きたかったこと。
 多くの人を殺した彼が、罪悪感と言うのを感じているのかと。
 しかし、彼は。
「反省? 何をだね?」
 そう不思議そうに、言った。
「…いえ。そうですね。何でもないです」
吉良原・吉奈は仮崎博士の穏やかな返答に
喜びのあまり絶叫しそうになるのを必死にこらつつ、そう返答した。
「個人の性癖の治療など、不可能だよ」
何人もの女性を殺して『食った』男は
まるで子供に言い聞かせるように、優しい声で口を開く。
「何故ならば、当人が治療の必要性をまったく感じていないのだからね。
 医療行為が成立するわけがない」
「ええ。治療法も、ないのが現状ですからね」
なかなか調べているようだね。と博士は吉良原に微笑む。
「MPAなどで一時的に暴力衝動などを抑える事はできるが、
 対処療法でしかないからね…。根本的な治療とは言い難いよ」
「ええ、ええ。そうですとも…ええ」
「…ふむ」
吉良原の持つ違和感に何かしら気がついたのか、仮崎博士は少女の肩にそっと手を置いて彼女を近づけた。
「何か、悩み事がおありかな? お嬢さん」
吉良原は何度も生唾をのみ、何度も口を開いてはためらうように閉じた。
 ―わかってくれる。この人はわかってくれる。
 ―私を私のわたしのわたしを私私私私…。
己の衝動に抗えるはずもなし。
「ああ…博士博士。聞いてください、私は…」
そこから吉良原の記憶は一時的に途絶えた。夢中になりすぎて、彼と何を話したか覚えていないのだ。

「あ、れ…?」
「おや、どうしたのかな?」
「あ、いえ…何でも…ない、です…」
ぼんやりと頭の中に違和感が残る。
「そうか、ならば良いのだが」
その後も、そも『異常とは何か』など小難しい話を
日が暮れるまで楽しんだ博士と少女は、ついぞ別れの時を迎えた。
「できればもう少し話していたい所ではあるが…。
 残念だよ、服役の身を今更になって後悔するとはね」
「私も同じ気持ちです、博士」
更に喋ろうと思ったが、看守の女性にせかされたので
しぶしぶと頭を下げて吉良原は博士に別れを告げた。

「…」
果たして今宵は『衝動』を抑えきる事ができるだろうか。
火照った体のうずきを感じつつ、吉良原はそんな事を考えていた。
博士との異常な日常
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● One day's memory納品キター
比留間の中の人 | URL | 2007/05/23(水) 21:19 [EDIT]
これで更に脳内補完。
● おおー
鳳凰堂の中の人 | URL | 2007/05/24(木) 17:19 [EDIT]
いいですねー。
このなんともいえない明らかに『歪んだ』日常。
『異常』を正常として回り続けるデイリーライフ。
奇妙な雰囲気アリアリで思わずうっとりしちゃいましたよ。
と、御託はこの辺にしてアリーヴェデルチー。

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