ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
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クラスの白い子
 ―異常だが病気ではない
そういう人間は必ず存在する。

問題は、社会の大多数がそのような人間に対して
どのような態度をとるか、に違いない。
そんな事を考えながら、吉良原・吉奈は忌々しい日差しの中、
神聖都学園の門をくぐった。
これからあの季節がくる。太陽の季節が。

「あー、早く期末終わらないかなー」
「夏休み、何する?」
成立しているんだかしていないんだか、よくわからない会話が耳を通り過ぎていく。
(「人が浮かれるのはかまわないが…。本当に厄介ね」)
春も過ぎ始めた季節だというのに、相変わらずの長袖にマフラー、手袋に帽子と日傘。
異常なほどに日光を遮ろうとしている吉良原の姿を、見咎める者は…『一人しかいなかった』。

(「え…なんで誰も気にしないんだ?」)
そんな違和感の残る状況に、首をかしげる生徒が一人。名を広瀬・大輔と言う。
「…む」
見られている視線に気がついたのか、吉良原と視線がかち合う。
朝・登校

「…何か?」
「あ、いや…その…」
「…。早く行かないと、遅刻しますよ、『広瀬』君」
「え…?」
驚く広瀬が質問する暇も与えずに、吉良原はさっさと校舎の中へと消えていった。
(「何で…、あの子、俺の名前を知ってるんだ?」)
(「…心理迷彩が効かないのか? いや、まさか…」)

 ―昼休み
「で、どーよウチの学年のレベルは?」
「は?」
ざわつく教室の中。
心ここにあらずの広瀬に、悪友のAがずっこける。
「は? じゃないっしょ! やっぱ中学ん時とは違うからな!
 幾らエスカレーター式だからって、
 高校受験して入ってきた奴等もいるし!」
「ああ、なるほどね…」
苦笑いする広瀬にはかまわず、Aは一人でどんどん話を進めていく。
「オレ的注目株は一年一組の牧原・尚美とかかな。
 ちと性格がキツめだが、それがまた…」
「…。アホか」
「アホってなんだよ! アホって!
 じゃー、そういうお前はどうなんよ!?」
「え、俺…?」
唐突な反撃に思わず目を泳がす。印象に残ってそうな女子の顔と名前を頭の中でぐるぐると回し、心当たりを探っていく。
「んー、『白い子』…?」
特に深い意味はなかった。ただ、今朝にあった子の印象がやたら強かっただけである。
「あ…? 美白系ってことか…?」
「いや、もっと白人みたいなってか…髪もだけど?」
「お前アニメの見すぎだろ…」
「何だよそれ」
わけのわからんツッコミに思わず渋い顔になる。
AはAなりに、言いつつも自分の頭の中に符号する女子がいないか記憶を探っている。
そして。
「あー! 思い出した思い出した!
 広瀬のばっちタイプが、ウチのクラスにいるじゃん!」
「はぁ…?」
自分のクラスにそんな子いたか? と思わず首をかしげる。
「ほれ、教室の隅のあそこ」
「…。あ」
教室の中でも最も廊下よりで、最も日当たりの悪い最後尾。
そこに彼女は座っていた。もふもふと可愛いしぐさで昼食をとっている。

「何で思い出さなかったんだろ?
 確か名前は…吉良原・吉奈。
 あの肌は、何かメラニンがうまく作れない病気とか何かのせいらしいな」
「ふーん…」
「4月頃は結構、あの外見とかからも男子勢から人気だったんだが…。
 一緒に遊びに行こうって言ってもそつなく断られちまうし、
 何かの行事の時に猛烈にアタックしても楽しいんだが、
 そうでないんだか…」
ペラペラと得意げに喋るAの話もそこそこに、広瀬はぼんやりと彼女の一挙一投足を眺めていた。
「…なんだよ~。やっぱ俺の話よりも吉良原見てる方が楽しいってか?」
「い、いやそうじゃないけどさぁ…」
「じゃあ、一緒にご飯でも食ってくれば? 俺学食に行くし~」
「スネるなよ…」
うらめしい目で去っていくAに苦笑しつつも広瀬は、でも彼女と話してみるのは面白いかもしれないと思っていた。
タイプうんぬんの話以前に、今朝の『違和感』が、気になるのだ。

「…」
どうしようかと一瞬躊躇したが、好奇心の方が今回は勝った。
意を決して彼女に近づく。
「…や、やぁ。今朝はどうも」
「…何か?」
感情の篭っていない瞳が広瀬に返ってきた。やりにくい。
「い、いや良かったら一緒にご飯…食べてもいいかな?」
クラスの一部の人間は二人のやりとりに気がついたのか、面白そうに事の成り行きを見守っている。
「…」
普段ならば断るところであるが、吉良原も今朝の件が気になっていた。
心理迷彩が効かなかったという事は、そういう『能力者』の可能性が高い。

(「探索系か何かの…。いずれにせよ」)
能力は見極めておきたい。そして、自分の『正体』を知りうる能力者であれば…。
『始 末』しなければ。
「ええ、どうぞご自由に…」
「…あ、え!? …あ、ああ、どうも」
あの鉄仮面の、吉良原が陥落した。
その噂はその日のうちに、クラス全体へと広まった。
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COMMENT

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● 最近
比留間の中の人 | URL | 2007/05/20(日) 18:53 [EDIT]
東京怪談成分が心なしか上がっていますが、
ちゃんと銀雨の比留間も稼動していますよ!
ホントだよ!

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