ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
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3:柔らかい風は私の髪を揺らし~
 ―2007年4月4日、深夜
「…?」
 比留間・イドは得体の知れない違和感を感じ、目を開いた。
 がら、と窓を上げ、空を見る。
「あれは…」
 天上に、光の筋が伸びていた。ただの光ではない、詠唱銀だ。
 ―翌日
 入学式を終え、時刻は放課後。晴れて高等部となった比留間は、昨夜の光の帯が発生していた地点、つまり銀誓館学園の屋上へと足を踏み入れていた。
「こちらの世界へ、何か用ですか?」
「…」
 比留間に声をかけられ、それまで空を見上げていた少女が振り向く。
「山吹家の祖先は人ではない、というのは本当だったのですね」
「そうだ。そのせいで、余計な苦労が増える事になるんだがな」
 赤い帽子をかぶり直し、少女は答えた。
 比留間は静かに言葉を続ける。
「元の世界へ帰りなさい、殺『ジン』鬼。
 この世界にはあなたの居場所などありはしない」
 数秒の沈黙。
「くく…。おい、『ガキ』。タンカを切る時は震えは隠しておいた方がいいぞ」
「!?」
 震える指先に気がつき、咄嗟に拳を握る比留間。眼前の殺『ジン』鬼はにやにやと余裕綽々で腕を組み、その反応を楽しんでいる。
「ここも存外地獄だな。戦争だなんて…神魔大戦を思い出すよ」
「この学園だけを見て世界を判断するな!
 この世界は、お前に見透かされるほど浅くはない!!」
「ほう…? まるで世界の守り手のようなセリフだな」
 殺『ジン』鬼の目が、飛び掛る直前の獣のように細まる。
 赤い瞳は、人間に対する憎悪で燃えてるようだった。
「世界はきっと良くなります。良くしてみせます、絶対に!」
「絶望の天敵気取りか、ガキめ」
 二人の間に再び沈黙が訪れる。
 
 ―緊張した空気には似つかわしくない、暖かい春の風が二人の髪を揺らす。

 比留間・イドは、メガネをゆっくりと外すと不敵に微笑んだ。
あなたの微笑みは私の心を揺らしました

「私は、何もあきらめてはいませんからね」
 比留間の青い瞳は、さしずめ太陽。あらゆる絶望を笑いながら焼き殺すゴーストの天敵。
 殺『ジン』鬼はハッとしたように目を開く。次いで、苦々しい表情で小さく呟いた。
「…そうやって人間を信じ続けて、死んだ馬鹿をあたしは一人知ってるよ」
「ならば証明して見せます。その人は愚かではないと」
「…」
「私は、人間の善意だとか友情だとか、勇気だとか正義だとか。
 そんな心に賭けました。
 これを幻想だ戯言だと言って、小馬鹿にしてくる自称賢いとかいう糞どもは、
 誓ってぎゃふんと言わせてやる」
「…。フン」
 興をそがれたのか、殺『ジン』鬼は何も言わずに踵を返して万能執事と忠犬のところへと戻る。
「準備万端整いましてございます。お嬢様」
「…中止だ」
「…は?」
「だから中止だ! こっちの世界の人間を殺すのは止めにする!」
 いささか困惑した表情の万能執事に、殺『ジン』鬼は静かにこう言った。
「リビドー…もう一度だ。もう一度だけ、人間を信じる。
 殺し尽くすかどうかは、その後考える」
「…。お嬢様の仰せの通りに」
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COMMENT

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● 登場人物補足
比留間の中の人 | URL | 2007/04/05(木) 22:47 [EDIT]
名前:赤にして激情のレイカ
性別:女
国籍:日本

殺『人』鬼にして殺『神』鬼。人間ではない。
加えてシルバーレインの世界には本来登場してはいけない存在。

植松・弾のパパン、ママンとは知り合い。
● にょっきり
テクノハザード・植松 | URL | 2007/04/05(木) 23:10 [EDIT]
クハハハハハハハハハハ!!

甘い甘い甘い甘い甘いねぇレイカちゃん!
もう一度、もう一度と言いながら、
何度でも何度でもループするがいいさハハハハハハハハハ!

希望を持たなけりゃ、絶望する事もねえぜ?ククククク…


絵を見たらメガネッ子の方が悪役っぽいと思ったのはヒミツだ!

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