ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
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SS『化物VS怪物』
 ―魔都・東京
 あらゆる常識が同時に存在し、また通じない場所。

 ―廃屋Lapis-Lazuli
 『女魔人』が率いる集団。詳細不明。

「お呼びですかい、ボス?」
 豪勢な書斎に呼び出された我らが大般若・如月は、どこか気だるげな表情で眼前の椅子に腰掛けた、自分よりも小柄な女性の前に佇む。
 ボスと呼ばれた少女(?)、『瑠璃色の鳩』、『ミス・アイスブルー』パティ・ガントレットは瞳を閉じたまま如月の方を向いて口を開いた。
「…『大般若』よ。お前を呼ぶ理由など、只一つだ」
 その声を聞いて背筋が凍りつく。声に殺気が含まれているからだ。
「…で、何をブッ壊せばいいんで?」
 とりあえずは結論から引き出さねば、この殺気にあてられたまま、というのは精神衛生上よろしくない。
「先日、この廃屋に噛みついてきた『犬』の所在がつかめた」
 婿殿からのリークでね。そうおどけたようにいいつつも、書斎に充満した絶殺の気配は膨れる一方だ。
「やられっ放しというのは、我らの、いや魔人としての流儀ではない。
 奴に『おとしまえ』をつけさせてこい」
「アイアイサー、マイボス。いずれ、世界を瑠璃色に沈めるために」
 お付きの黒服から詳細の書かれたファイルを受け取ると、そそくさと如月は踵を返す。

 ふと、壁際に飾られていた花瓶が、先ほどからの殺気で砕けたのが見えた。
「…~~~~~っっっっ」
どういう殺気なんだ、と思いつつ廃墟を後にする。


「………」
 夜の東京、とある公園のベンチに腰掛けていた吉良原・吉奈は険しい表情で首筋をさすっていた。何か自分にとって良くない事が起こる前触れだ。
「どうしたんだい、吉奈?」
「…あ、ううん。なんでもないよ、『お父さん』。ちょっと、ね…」
 『お父さん』。そう呼ばれた壮年の男は実の父親ではない。ついでに養父でもない。その意味は、言わずもかな。吉良原は恋人に寄り添うかのようにその男の懐に寄り添い、男は彼女をまるで恋人を扱うかのように抱きしめていた。
 吉良原がそっと唇を相手の頬に添えれば、タバコの焦げ臭い匂いが鼻を突き、ごつごつとした岩のような肌が触れる。
 全身を包まれるかのような温かい充足感。
 と同時に、この人を殺したらどんなに私は『気持ちいい』のか。そんなドス黒い感情が抑えきれない。
「ねぇ、『お父さん』…。今日は奥さんいないんでしょ?」
「あ、ああ…」
 ちょっと驚いて身を引く男に、顔を近づける吉良原。
「わたし…『お父さん』のお家にいきたいなぁ…」
 猫なで声で男に寄り添う殺人鬼。今日は楽しい夜になりそうだ。

「あー、お楽しみのトコ悪いんだけどねぇ」
 そんな二人の会話を突然に引き裂く第三者の声。吉良原も男も跳ね飛ばされたように声の方向に振り向く。
「そっちの嬢ちゃんにちと野暮用があってよ? 悪ィけど少し借りるぜ?」
 タバコを口にくわえてポケットに両手を突っ込んだまま、大般若・如月は首をゴキリと鳴らした。どう見ても、その道のヤバい御方である。
(「…しまった。夢中で接近に気がつかないなんて…ッ!!」)
 どっ、と嫌な汗がふき出すのを背に感じつつ、吉良原はベンチから立ち上がる。
「よ、吉奈…」
「逃げて、『お父さん』。後こいつの事は警察に言っても無駄だから」
「な…!」
 驚いて男は何か言おうとするが。やはり我が身が一番なのか。反論すらせずにそそくさと退散していく。
 ここで如月、二本目のタバコに点火。
 一般人には用はない。というか善良なる一般市民を無闇に巻き込むと、かの大銀嬢に自分が殺されかねない。だからこうしてわざわざ姿を現したのだ。
 はじめるのは、あの男が逃げ切ってからで十分だろう。
「…んじゃ、改めて。 よぉ、『化物』」
「やあ、『怪物』」
 先に口を開いたのは如月。
「あれも『バイト』か?」
「…失礼ね。あれは『趣味』よ」
 危うくぶっ倒れかける如月。バランサーの調整は完璧なので、まぁ踏みとどまったが。
「そ、そうか…」
「ああいう人を、『殺さずにはいられない』のよ。私はね…」

 数秒の沈黙。

「サイコ女め。反吐が出るぜ」
 大般若・如月は口を歪ませて牙を剥き、己の得物に手をかけた。
「何とでも言えばいい。私は、私の平穏を乱す奴を決して許さない…」
 獣のように身を低くして眼前の危機に対峙する吉良原・吉奈。
「宮内庁御用達ミソギ弾頭弾殻、純銀専用弾使用…。
 全弾『神宮』による退魔潔斎済み。
 全長20糎、重量15瓩、装弾数10発。
 対人外戦闘用13粍拳銃…『奈落』」
 どう見ても人間が扱うサイズの拳銃ではない物体が如月の右手に握られている。
 全駆動関節部状況よろし。
 流れるような動きで吉良原の脚部に狙いを定める。動きを止めてから、トドメを刺すつもりなのだ。
「…テメーにゃぁ、勿体ねえシロモノだ」
「…そう。 なら遠慮せずに引っ込めたら?」
「そうはいかねぇよ」
 瞬間、轟音が空に吸い込まれた。


全身図

発注者とか使用権:比留間の中の人
制作:kowich
著作権:株式会社テラネッツ
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COMMENT

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● 要するに
比留間の中の人 | URL | 2007/01/16(火) 00:27 [EDIT]
『ヘイ、ロック!
 全身図できたぜイィィーッハァァァァッッ!!!』
って事です。
銀雨は今日は関係ないです。ごみんなさい。

キャラを拝借させていただいた方々に無限の感謝と敬意を。
あとkowich絵師様も良い仕事をしてくださって大満足です。
● まず言いたいのは
田吾作 | URL | 2007/01/16(火) 01:30 [EDIT]
いい趣味してやがンなぁベイビイィィィィ!?(フェイス)

キラ吉さんてば。もう、なんてサイコでサイコーなの!
(↑服のセンスも悪けりゃ洒落のセンスも以下略)

ところで、なぜに蜘蛛の巣と薔薇の花?
あと、微妙に太ましい太ももが実に悩ましい。

追伸:
URLのアレンジ版もいいですよ。
最近、これと元のverをずうっと聞いてます。
● 決着のために
娼嬢・鳩 | URL | 2007/01/16(火) 01:40 [EDIT]
ありがとうございました。
パティ・ガントレットの神、鳩でございます。

ありがとうございました。

● 説明しよう!(ズババーン
比留間の中の人 | URL | 2007/01/16(火) 16:14 [EDIT]
>田吾作さん
発注文には書いてないので、絵師様のアレンジですな。

強引に意味を解釈してみようと思います。
蜘蛛の巣=男を誘い込んで食べる女性の暗示。まさに吉良原。
薔薇の花=薔薇の命は儚くて 命短し恋せよ乙女

そしてアレンジもまた良いですな。侮りがたし!

>鳩神さん
このブログにも神が降臨された!!(注:挨拶

いえいえ、とんでもない。
ぜってぇ強ぇぇぇぇ、と思わせてくれる大銀嬢の更なるご活躍を祈る所存です。はい。

狢の中の人 | URL | 2007/01/16(火) 19:33 [EDIT]
うはぁ、まぶいすこれ
音楽とあいまって最高
魔都かぁ。新宿と似ている雰囲気参加してみようかな(ぉ

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