ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
DATE: --/--/--(--)   CATEGORY: スポンサー広告
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
DATE: 2006/10/25(水)   CATEGORY: SS
狢とは…
 狢とは化かす生き物である。
「ク…」
 誰もいなくなった道場で、一人笑みをこぼす。
 今回の想定は、リリスの誘惑に打ち勝つ
 実践さながらの恐怖(?)を得るため、狢・蓮は『ある方法』を実行に移すことにした。
 ばれても、エロ学派ということで問題はたぶん起きないだろう。
 多少の殴打も訓練のうちだと割り切り、覚悟を決める事にする。
 標的の名は比留間・イド、気合の入った青龍拳士にして比留間グループの御令嬢だ。
 それ故に、よい訓練相手なのだ。

「…おや、狢先輩。他の方は?」
 ターゲット到着。状況を開始する。
「ああ、何かみんな色々と予定があるらしくてな。早々に帰ったよ」
 本当は、たまには倶楽部を休みにする! みんな羽を伸ばしておけ!、
 とか何とか言って追っ払ったのであるが。まあ訓練の為だ。やむをえない。
「はぁ…そうですか。では私も…」
「ああ、まてまてイド。渡したいものがあるんだ」
 帰ろうとする比留間を素早く呼び止める。ここで得物を逃すわけには行かない。
「あ、はい? 何でしょう…」
「これを受け取ってほしい」
 比留間は以下のものを狢から渡された。

名称      :着ぐるみ
種別      :防具
分類      :着ぐるみ (顔を出して着る、大きなぬいぐるみです。)
設定      :一般的な形状の着ぐるみ。
レベル     :1
HP/CP   :5/3
回避ボーナス  :気魄

名称      :つけしっぽ
種別      :アクセサリー
分類      :つけしっぽ (動物などの尻尾を模した装飾品です。)
設定      :一般的な形状のつけしっぽ。
レベル     :9
修正値     :0/0/0

「…」
「まて! 拳をつくるな! 話をきけ!!」
 あわてて比留間をなだめる狢。
「…何ですかこれは」
「見てわからんのか、詠唱兵器だ」
「…いえ、それはわかりますが、何ですかこのデザインは」
 手にした気ぐるみとつけしっぽを手に、眉をひそめる比留間。
 ここまでは計算どおり。
 気づかれぬよう呼吸を整え、考えに考え抜いた殺し文句を口に出す。
「…最近、能力者の寝込みを襲うゴーストが闊歩しているという情報を耳にしたんだ」
 あくまで真面目に。真剣なまなざしで会話を展開する。
「ゴースト?」
「ああ…既に学園内でも何人かやられたらしい。
 どうやらそのゴーストは、本当に寝ているのかどうかを判別する特殊能力を
 持っているらしくてな。未だ倒せずにいる」
「はあ、それで…これと何の関係が?」
 いくぜベイベー。戦闘開始だ。
「それは、俺がゴーストタウンで見つけた、
 『パジャマ型詠唱兵器・わんわん君壱号』だッッ!!」
「…。ぱ、ぱじゃま型詠唱兵器…?」
 首をかしげる比留間。詠唱兵器という言葉に反応し、動揺している。
「その通り! これを身に着けて寝れば、常時イグニッションしているようなものだ!
 ならば普通の寝巻きより遥かに安全だろうッ!?」
「た、たしかに…」
 よっしゃトドメだ。
「見つけるのに苦労したよ…。何度死に掛けたか。
 イド、お前はそんな俺の苦労を『けしからん』と切り捨てるのか?」
 じゃあしっぽは何なんだというツッコミもあろうが、
 既に激しく心を揺さぶられた比留間にそんな余裕はなく。
「す、すみません…狢先輩! 私としたことが…そんな先輩の心遣いに気づけなかったとは!!」
「いや、わかってくれればそれでいい」
(「計 算 通 り」)
 狢は心の中でほくそ笑んだ。
「ありがとうございます…。今度から、寝る時はこれにします!」
「うむ…じゃあ『試しに試着してみてくれないか』?」
「…はい?」
 比留間は豆鉄砲で撃たれたような顔をして、思わず訊き返す。
「いざ実戦で着ぐるみのサイズが違ったら困るだろ!」
「は、はぃぃぃぃ!」
 何か力技で強引に押し通す。いや、これも一つの兵法なり。
「わかりました…。じゃあ着替えるので、ちょっと外で待っていてください…」
「ああ、わかった」
 さあ、訓練開始だぜ。

 ―数分後
「い、いいですよー」
「そうか。では…」
 脈拍を落とし、心を冷静にする。いざ。
全身図

「ゴフッ!!」
「む、狢先輩!!?」
 思わず鼻血を吹き出す狢。
「い、いや何でもない、続けてくれ…」
 何という破壊力。恐るべきはわんわん君壱号。これはかなり、やばいぜ。
 携帯であらゆるアングルから堪能する狢。
「何やっているんですか」
「ほつれがないか確認しているんだ」
「…」
 納得のいかない表情をする比留間をよそに、ピロリロリンと携帯の撮影音が響く。
「あ、あの…これは大分恥ずかしい気がするのですが」
「たわけ! ゴースト相手に恥ずかしいもクソもあるか!!」
 何とか脈は落ち着いてきた。大丈夫だ、いける。俺はリリスに勝てる。
 いざクライマックスへ。
「いいか、これが総仕上げだ。犬の鳴きまねをしてみろ」
「…は? な、何故ですか?」
「今回のゴースト、犬の鳴き声が苦手らしいぞ。訓練しておいて損は無い」
「…」
 いかん、絶対怪しんでる。待てあわてるなこれは孔明の罠だ。
 うろたえるな狢・蓮。こんな修羅場なんて朝飯前だろ? リリスの誘惑なんて屁でもないさ。
「イド…。俺もやるから、ちゃんとやってみろ」
「は、はぁ…では」
わぅーん、わんっ、わんっ

「ぅー、わ…わんっ、わんっ…?」
「ゴフッ!!!!」
ゴフッ

 前言撤回、『これは死ぬ』。
「ちょ、先輩!!?」
「いや、す、すまん…。何でもない。
 いい調子だ。若干、手が猫な気もするが。概ね問題ない。
 ほれ、もう一回」
「わ、わんっ…! わんっ…!」
「カハアッ!!」
 ありがとう天国のお父さんお母さん。もうすぐそちらに逝きます。
 朕奮闘するも戦局覆すことあたわず。我慢敗れてわんこあり候であります隊長殿。

 と、そこへ。
「な、何やっとるんじゃ、おぬしら…」
 天流・狗星は部室に入ってきたところで、意味不明な光景を目にして非常に困惑していた。
「げえっ、狗星!!」
「あ、狗星先輩…どうも。これはですね…」
 わんこ装備のまま頭を下げる比留間。そして事のあらましを狗星に話す。
「…寝込みを襲うゴースト? 初耳じゃが、何じゃそれは?」
「…………………。え?」
 ピシ、と空気に亀裂の入る音が。
「狢殿に今日は休みと言われたが、特にやることもなくてのう。
 奥の森林にいたんじゃが…って…ひ、比留間…殿?」
 聞こえたような、気が。
「…。狢、先、輩…?」
 したなぁぁぁぁぁ逃げろぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!!!

 後日。
 こんなメモが倶楽部内にて発見されたとかそうでないとか。
「私、狢蓮は命を狙われています。
 どうしてこんなことになったのか、私にはわかりません。
 これをあなたが読んだなら、その時、
 私は死んでいるかもしれません。
 これを読んだあなた、どうか比留間イドを止めてください。
 それだけが私の望みです。
           狢蓮」

 ―終幕―
スポンサーサイト
[ TB*0 | CO*3 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する
● プレゼントだ。まぁ着てくれと言われたので
比留間の中の人 | URL | 2006/10/25(水) 18:34 [EDIT]
こうなりました。
ありがとう僕らの狢・蓮。ありがとう。

楠手馬女史もそうですが、
実装してすぐにそういう装備を送ってくるなんて素敵すぎる。

| URL | 2006/10/25(水) 20:08 [EDIT]
……グッジョブ俺(そうして奴は星になった
● その望み………
鳳凰堂の中の人 | URL | 2006/10/26(木) 02:36 [EDIT]
確かに聞き届けたり………

って、あ、無理無理、止めらんねぇ。

あとイドさん、己が身を安易に萌えキャラへと堕するその発想―――不用意だったと知れ。
二日以内に描いてアップしてくれるわッ!!

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © ある学徒の手記. all rights reserved. ページの先頭へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。