ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
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DATE: 2006/08/26(土)   CATEGORY: SS
格好よくあれ
 ―綺麗な歩き方を教わった。美しい姿勢も教わった。

 比留間家本邸の中庭にて、比留間イドは万能乳母ばあやの手厳しい指導を受けている。
「格好をつけなされ、格好をつけなされ! お嬢様が死ぬその時まで!」
「はい!」
 わずかでも優美さが欠けていようものなら、容赦なく棒で叩かれ修正された。

「常に淑女たりなさい! お嬢様は戦士である前に、一流であるべきです!」
「はい!」
 服装のわずかな乱れも見逃さない。
 塵一つ、服につくことも許可しない。

「エレガントに。エレガントに! いついかなる時も、服装を正しなされ!
 まず形から入るのです。そして心から、『らしく』振る舞うのです!
 たとえ死んでも、『らしく』振る舞うのですぞ!!」
「はい!」
 わずかに上体が不要なブレを起こす。万能乳母は寸分もそれも見逃さず、すかさず棒で叩き修正する。
 電撃が走ったように痛かったが、イドは我慢した。

「‥‥生きる事は、格好が悪い事なのでございます。
 かといって、それにおとなしく従うような大人には、どうかならないで下さいませ!」
「はい!」
 かすかに丸まった背をばあやは棒で叩いた。
 背中に火がついたような痛みが襲い掛かってきたが、それでもイドは我慢した。

「反逆なされよ! 生きる事は格好よいと、言われる様に!
 反逆なされよ! お嬢様が好かれたいと思う殿方のために、格好よく!」
「はい!」
 ぴんと背を伸ばす、アゴは軽く引く。一本の線を歩むように、足を運ぶ。
 急がずに、静かに、されど軽やかに。

「天が決めたルールでさえも気に入らないのならば、わが道を通しなされ!
 勝つか負けるかはその後でございます!」
「はい!」
 くるりとばあやの方向に振り向く。
 完璧であった。

「100点満点でございます。お嬢様」
 老婆は満足げに微笑み、恭しく一礼した。
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