ある学徒の手記
株式会社トミーウォーカー運営の学園伝綺PBW『シルバーレイン』のキャラクター視点の手記。
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DATE: 2007/08/26(日)   CATEGORY: SS
【IF Another despair】 比留間の姉妹の場合
私がこんな面白い事を見逃すはずがないじゃあないか。
【20XX年 封鎖特区 鎌倉】

始まりにして終わりの地、鎌倉。
世界結界はもはや意味をなさず、
敵性来訪者の来襲、そしてシルバーレインによるゴーストの発生により荒廃した地。

―エノシマ・エリア

朽ち果てた教会の地下霊廟にて、
男は蓄えられていた保存食の一つをつかんでぶっきらぼうに口に叩き込む。
食事と言うよりは、補給。
楽しむと言うよりは、作業。

咀嚼すること数回。階段から降りてきたのは、別の男。
「『   』。どうやら本隊が近づいてきているらしい
 早々に立ち去るべきと判断する」
「…その名で呼ぶな」
通称"左利き"はギラついた左目で自分の名を呼んだ男を睨みすえる。
「…その名前は、捨てたんだ」
「わかった。…それで、どうするんだ、"左利き"?」
「本隊が近づいてきているというのであれば」
叩き潰すだけだろう。
それだけ言うと、"左利き"は立ち上がって己の詠唱兵器を顕現させた。
ため息をついてそれに追随する"赤錆"。
「…付き合う必要はないぞ」
「そうもいくまい。やっと見つけた『黄金と刃』の生き残りだ」
「………」

二人の男は、堂々と正面の門からうって出た。


「…粘りますね」
通称"宗主"は不機嫌そうに、陣営奥の作戦指令所で戦況を遠めに眺めている。
"左利き"、"赤錆"。
どちらも人間としては異常な程に俊敏な挙動で次々と敵を屠っていく。
対能力者装備で固めた通常の人類では、最早太刀打ちできない高みへと上っていたのだ。
「……宗主、このままでは兵の無駄使いです」
「見ればわかります」
手首だけで戦槌をふるい、副指令とおぼしき兵の頭を吹き飛ばす。
「感想は必要ない。作戦をよこすのがお前の仕事だろうに…」
ゆっくりと、"宗主"が立ち上がり、一言。

「下がった者は私が直々に殺す。突撃しろ」


「…!? こいつら…!!」
身の丈よりもある大剣を軽々と振り回す"赤錆"。
何かにおびえるように突撃してきた男達を叩き潰し、"赤錆"は叫ぶ。
「"左利き"!! こいつら『相打ち覚悟で』きてるぞ!!」
異常としか言いようのない戦法。こちらへの傷一つと引き換えに、命を代償として支払ってくるのかと眉をしかめる。
「我が身既に…不 退 転ッッッ!!!」
"左利き"はそんな叫びをよそに、手当たり次第に敵を切り刻んでいく。
攻撃されたのであれば、倍以上に攻撃すればいい。
そんな苛烈さを秘めた猛ラッシュで、無理矢理に戦況を五分に持ち込む。

このまま行けば間違いなく、共倒れか、どちらかが深手を負って決着がつくだろう。
舌打ちをしながら攻撃を受け流し、返す"赤錆"。
せめて教会に立て篭もって戦うべきか。退路を切り開くべく、素早く辺りを見回す。

赤黒い空。朱色の雲。
朽ちた教会、舞い上がる砂煙。

 ―砂煙?
仰天して再度"赤錆"は砂煙の方角を向く。何かが物凄い勢いでこちらに接近している。
「…ゴースト? いや、あれは…」
"宗主"もその光景に気がついたのか、"赤錆"と同じ方角を向いている。
爆音の後に、何か黒い人影が空に飛び上がった。
夕日を背にはためくシルエット。

「龍撃砲(バスタァァァ…ビイィィィ―――ム)ッッッッ!!!」
戦場を一本の極太ビームが駆け抜ける。吹っ飛ぶ悪党。辺りを覆う砂煙。
「「「!!!?」」」
三者三様のリアクションをしながら、その衝撃をやり過ごす。

「そこまでだ、悪党ども。そこまでだ」
大地に響く、全ての母の母であるかのような凛とした声。

"左利き"は、
"赤錆"は、
"宗主"は、
全ての動きを止めて息をのんだ。

「そこまでだ。鎌倉を覆う今日の悲しみたちよ。
 明日が来た」
風にはためく黄色いジャンパー。
強化された白ぶち眼鏡。

「貴方たちの悲しみにわたしは同情する。
 わたしもまた、そうだったから」
義憤に燃える赤い布槍。
高速回転する動力炉。
「だが、天を見上げれば明日が来るんだ。
 わたしは姉から世界の美しさを教わった。
 わたしは姉がうそぶいた明日を見てみたい。

 …。だからそこまでだ」
そして…黒いキャスケット帽。
瞳は青い太陽のように煌いていた。

大地を足で踏み鳴らす。
仁王立ちし、腕を組む。

「今日よ死ね。明日が来たぞ」
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